『国循サザン事件』第4回公判を終えて
昨日(2016/6/15),私の事件の第4回公判が行われました。
傍聴に来て下さった方には心より感謝申し上げます。
以下,このブログを通じて私を応援してくださっている方のために,簡単に公判の報告をしたいと思います。今回は尋問の質問者側要点のみに留めます。西田氏の証言と、それに対する私のコメントは次回記します(桑田)。
第4回公判では,検察側証人・西田浩二氏(事件当時,国循の調達企画専門職)に対する弁護側の反対尋問が行われました。
西田氏は,国循の事務部門に所属し,国循で行われるさまざまな調達に関する実質的な責任者でした。
弁護側の尋問の要点は次のとおりです。
- (高見弁護士)入札2(2013年1月30日開札,一般競争入札)において,国循は,当該入札において最低価格落札者となった業者と契約せず,その結果,入札が不調となった経緯
- (我妻弁護士)本事件以外の過去の複数の入札において,西田氏が,当該入札に関する仕様書案,機能比較表,機種選定小委員会報告書を特定の入札予定業者(1社)から直接メールで受け取っていたこと。そして,当該入札において,その業者が落札率*1100%で落札をしていたことの経緯
- (我妻弁護士)本事件以外の過去の入札において西田氏自身が評価委員を務めた公募型企画競争の落札業者に対し,当該入札の直後,西田氏は,個人利用目的の案内ハガキのデザインを依頼し,それらを受け取っていたことの経緯
- (我妻弁護士)同じく上記入札の直後,西田氏自身がグループウェア(Lotus Notes)導入の起案を行い,その結果,当該グループウェアが上記業者によって導入されたこと。しかし,その調達情報が国循のホームページでは公開されておらず,会計検査院の検査受審時にも報告されていないことの経緯
- (我妻弁護士)本事件以外の過去の入札において,西田氏が,当該入札に関する「競争参加資格」について特定の入札参加予定業者1社に提案を依頼し,仕様書に反映させたことの経緯
- (高見弁護士)入札1(2012年3月19日開札,一般競争入札)において,契約係が,当時の受託業者(NEC)の技術員が9名であったにもかかわらず,当該入札の予定価格を12名で算出した経緯
- (高見弁護士)入札1・入札2において,契約係が,予定価格が80万SDR(1億円程度)を超える政府調達であったにもかかわらず,WTO(世界貿易機関)協定のルールで定められている意見招請手続きをとらなかった経緯
- (高見弁護士)1者応札の案件については,国循の契約審査委員会,契約監視委員会で西田氏が説明を求められること、また政府機関からも一者応札についての理由説明を求められることがあることの経緯
- (高見弁護士)国循の契約監視委員会において,西田氏が,一者応札になった案件についての説明を求められた際「仕様書策定委員会を開催して適切に措置する」と回答しているにもかかわらず,入札1および入札2において仕様策定委員会を開催しなかった経緯
- (高見弁護士)国循がホームページで当時公開していた「契約の適正化に関する取組について(平成22年4月)」に,「仕様策定委員会を開催する」とあるにもかかわらず,入札1および入札2において仕様策定委員会を開催しなかった経緯
昨日の公判では、様々な点が確認されましたので、整理して掲載させていただました。
*1:落札率=落札価格/予定価格