第31回公判傍聴録 反対質問高橋さん2回目その2

国循サザン事件-0.1%の真実-無罪を訴える桑田成規さんを支援する会Nです。

2017年9月25日13時30分〜17時00分、大阪地方裁判所第603号法廷にて、国循官製談合事件(「国循サザン事件」)の第31回公判が行われました。

この傍聴録は、逮捕起訴された桑田さんを支援する会として動いているNが、第31回公判の様子や感想を傍聴した本人としてアップしています。

※第11回より更新が滞っており、ご迷惑をおかけいたしております。順次遡りましてアップしてまいりますので、今しばらくお待ちください。

※Twitterはこちら

国循官製談合事件の冤罪被害者を支援する会 (@southerncase) | Twitter

※Facebookページはこちら

国循サザン事件ー0.1%の真実

第31回公判の様子

  • 裁判官 西野吾一裁判長他2人
  • 桑田さんの弁護士 2人
  • 高橋さんの弁護士 3人
  • 検察官 2人
  • 報道関係 2人
  • 傍聴者 約10人

第31回公判傍聴録 反対質問 第3の公訴事実

高橋さんへの反対質問2回目の後半は、第3の公訴事実について検察から質問が行われました。

第3の公訴事実は

2013年度の公募型企画競争入札において、受注する意思のない企業NDDを競争に参加させたうえ、ダンテックより高値で応札させるとともに、ダンテックが作成提出すべき企画提案書について助言指導を行った。

というもの。

主に

ダンテックが作成提出すべき企画提案書について助言指導を行った(ダンテックの担当であった涌嶋さんが助言を受けた?求めた?)

についての質問が行われましたが、この部分についても非常に曖昧です。

公募型企画競争入札とは?

これまでに出ていた一般競争入札とこの公募型企画競争入札は入札方法が違うため、桑田さんが以前のブログで説明をされています。

一般競争入札では,参加企業の提示する価格(入札価格)が最も安価であった者が落札者となります。

一方,公募型企画競争入札では,一般的には,参加企業が企画提案書を作成したうえで,その内容について,国循の評価委員の前でプレゼンテーションを行い,評価委員が与える得点(技術点)が最も高い者が落札者となります(いわゆる「コンペ」に相当します)。

経緯説明⑭~入札③(2013年度・国循情報システム運用・保守業務委託・再入札) – 国循サザン事件―0.1%の真実―

そして、この公募型企画競争入札は、先の一般競争入札で落札したシステムスクエアの履行能力に問題があり入札が不調に終わったことを受け、新たに公募型企画競争入札としてやり直すことになったものです。

このやり直しを決めたのは、もちろん国循の契約係です。

当初この入札に参加を予定していたのはダンテックのみ。そうなると一者応札となるため、一者応札を避けたかった契約係はNECの担当者にも参加してもらうように打診しますが、断られます。

その時のやりとりについて、第8回公判の証人尾崎氏が証言しています。

国循官製談合事件 第8回公判傍聴録 – 国循サザン事件―0.1%の真実―

公募型企画競争入札前後の桑田さんとダンテックの関係

2013年度入札と公募型企画競争入札が行われた時期、ダンテックは国循のシステムに関連する業務を行っている「現行業者」でした。

当時ダンテックの職員であった涌嶋さんは、ほぼ毎日国循に詰めており、日常の業務について桑田さんとは頻繁に連絡を取り合っていました。

ダンテックの社員と私は,情報システムに関する当時の課題や対応,そして今後の整備計画などについて話し合うために,毎日のように打ち合わせの時間を設けて話し合っていたところでした。

と桑田さんの記事にもありますが、これは仕事をする上では当然のことですね。

特に日本を代表する循環器疾患専門の医療センターである国循では、1日何百人という人が外来に訪れ、常時500名以上の入院患者がいますから、その業務に関係するシステムの運用保守となれば、日に何度も顔を合わせ、綿密な連絡を取り合うことは、トラブルを起こさず病院を運営していくためには必要不可欠なことでしょう。

そこを

桑田さんとダンテックは懇意な間柄

というような捉え方をしてしまうのは、非常に歪んだ捉え方となります。

ダンテックが作成提出すべき企画提案書について助言指導を行った

ということに関して、当時の状況をおさらいします。

第12回の公判で当時国循のシステム運用保守の責任者であった涌嶋氏は、

プレゼンテーションで使用する企画提案書は、仕様書のテーマに沿って作成した

と証言しています。

また秋田弁護士(高橋さんの主任弁護人)から

入札公告があってから入札するまでの聞に入札に関する質問をする場合に、国循の事務方が回答を公開するという手続=疑義照会

について、涌嶋氏に質問がありました。

秋田弁護士 入札に関する疑問がある場合、必ずその疑義照会の手続によるんですか

涌嶋氏 質問したことが全部、疑義照会になるかというと、そうではないと思っています。電話やお会いした時にご質問させていただいて、それについての答えをもらって終わるような感じです。

秋田弁護士 それは契約係の人に質問することもありましたか?

涌嶋氏 はい、もちろんありました。

秋田弁護士 現場の発注部署の責任者の人に質問することもありますか?

涌嶋氏 もちろんあります。

秋田弁護士 疑義照会の手続にするか、口頭の質問にするのかというのはどのように使いわけるのですか?

涌嶋氏 誰でも知っているだとうというようなことはその場で、仕様書の間違いのようなことを指摘したり、入札参加者全てに周知が必要だと思われるようなことは疑義照会でという感じです。判断するのは自分ではなく国循の方です。

秋田弁護士 桑田さんに質問することもありましたか?

涌嶋氏 もちろんあります。

秋田弁護士 桑田さんは、誰でも知っているだろうというような質問の答えをその場で答えることもありましたか?

涌嶋氏 ありました。口頭でその場で答えられる時もあれば、疑義照会に出してくださいと言われることもありました。

秋田弁護士 そのような対応は、国循の他の方も同じですか?

涌嶋氏 同じです。

以上のようなやり取りがありました。

検察の考えでは

  • 入札公告があってから入札するまでの聞、桑田さんと入札参加予定者であるダンテックが接触することに問題がある
  • 桑田さんはダンテックの涌嶋さんに会ってアドバイスをしていた

だから

ダンテックが作成提出すべき企画提案書について助言指導を行っていた

となるようですね。

確かに、桑田さんとダンテック涌嶋さんが日々接触していたことは間違いありません。

しかし、これは業務ですから当然です。

ダンテックの涌嶋さんが業務連絡のついでに入札関連の質問をしたかもしれません。

しかし、桑田さんは口頭でその場で答えられる時もあれば、疑義照会に出してくださいと言うこともあり、他の国循の職員と同じく立場をわきまえていた。

何も根拠がないのに「日々顔を合わせていた=関係が密だった=怪しい」となるのは、あまりに都合の良い検察の言い分に聞こえるのは、私だけでしょうか?

f:id:southerncase:20171008213714j:plain

メールを見たのか?見なかったのか?はそこまで重要か?

当時、国循の仕事を請けていたダンテックの中で、現場である国循に常駐していたのは涌嶋さんです。しかし、この事件では涌嶋さんは起訴されず、高橋さんが起訴されています。

高橋さんはダンテックの社長であり、国循には営業担当として関わっていましたが、現場の業務に関しては涌嶋さんに任せていたということは、これまでの証言で何度も出ています。

しかし検察は、第3の公訴事実にある「企画提案書について助言指導を行った(ダンテックは助言指導を受けた)」に関して、第31回公判中も、何度も高橋さんに質問しました。

その質問は

涌嶋さんと桑田さんのメールのやり取りがCC(カーボン・コピー)で高橋さんに送られていたため、その内容を見たのか?見なかったのか?というもの。

高橋さんは「見たかもしれないが覚えていません」と言い続けるのですが、検察は

  • 自分に送られたメールなのに確認しないのか
  • 内容を見たのではないのか

と繰り返し質問します。

その度に高橋さんは

現場のことは涌嶋さんに任せていたし、開いたかもしれないがじっくり見てはいないかもしれないし、よく覚えていません

と言うのですが、検察は

送られたものを見ないなどということはないはずだ

という勢いで何度も聞きます。

この聞き方は、桑田さんへの反対質問でも何度もありました。

桑田さんも

日々膨大なメールがくるので、開くもの、開かないもの、見るだけのもの、返信するもの、しないものなど細かく設定もしているので、メールボックスにあったから見ただろうと言うのは当てはまらない

と答えていました。

仕事をされる方ならよくお判りだと思うのですが、仕事で使うCCメール、特に上司に送るCCメールというのは、

先方とこんなやり取りしていますよ

という報告の意味で送ることがほとんどです。

上司も、気になることであれば積極的に確認するでしょうし、任せてあるから報告があればOKという場合にはメールをじっくり見ないということもあると思います。

これは常識の範疇だと思うのですが、高橋さんがあたかもおかしいというような検察の質問態度、そして何度も繰り返される同じような質問に、傍聴席は苛立ちを隠せませんでした。

 検察官・裁判官の相次ぐ交代で思うこと

第30回、第31回の公判傍聴録を読んでいただくとお気づきになるかもしれませんが、長々と書いたのはこれまでの証言を振り返りながら書いたからで、実際にはこの2回の公判の中身はあまりありませんでした。

というのも、検察からの反対質問は「今更それ聞く?」「本当に内容を理解してる?」ということが多かったからです。

と同時に

この人たちだけが、わかってないのでは?

と思う場面も多々ありました。

これは、昨年4月の初公判以来何度も検察官が入れ替わり、最初から一貫して関わっている検察官がいないことも問題なのではないかと思います。

検察官だけでなく、裁判官も初公判から変わらないのは裁判長だけで、他の2人については何度も入れ替わり、弁論更新も2回行われました。

第29回公判冒頭での弁論更新でも秋田弁護士が訴えておられましたが、大変内容が難しい上に長期にわたっている今回の裁判において、一貫して関わっている人が少ないことは、大変怖いことだと感じます。

先ほどの

この人たちだけが、わかってないのでは?

と感じてしまうのは、専門家ではない私でさえ、全公判を傍聴していれば聞かないであろう質問を何度も繰り返したり、全く公訴事実とはかけ離れているのではないか?という質問をしたりするからです。

そして、

そのことについては、第◎回の公判で証言があったじゃないの

ということも多いのです。

検察官や裁判官も公務員ですから、年度代わりの移動があるのは仕方がないことかもしれませんが、今回のような長期に渡る裁判の場合には、そのあたりの配慮があっても良さそうなものだ・・・と思うのは、凡人の勝手な言い分でしょうか。

次回公判は10月23日(月)13時30分〜大阪地裁にて行われます。

文字だけでは伝えきれない、伝わりきらないことがたくさんあります。

ぜひ法廷にお越しください。一緒に応援していきましょう!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

桑田さんを支援する会では、桑田さんの冤罪をはらすべく動いています。

公判を傍聴するたびに、0.1%を証明する真実が見えてきます。

ぜひご一緒に、その真実を確かめてください。