第7回公判を終えて(本人談)
昨日7/25は,国循サザン事件の第7回公判期日でした。平日日中のお忙しい時間帯にもかかわらず,わざわざ傍聴に来ていただいた方には心より御礼申し上げます。
昨日は,私(桑田)の前任者であり,私の在任中は部下であり,事件により私が休職となった後は私の代理を務めた,原口亮氏(元・国循IT戦略室長)の証人尋問が行われました。
原口氏証言の主たる内容は,
- 桑田が関与して作成したH25年度システム運用・保守業務の仕様書案において,「病院情報システムにおける仮想化システムの構築経験」を技術者の配置要件としたことは不合理である
- 桑田が関与して作成したH25年度システム運用・保守業務の仕様書案において,保守業務であるにもかかわらず開発の項目を入れたことは,当該システム導入を行った業者以外には開発が困難となるため不合理である
- 原口氏が関与して作成した仕様書案は現行業者に有利なものではない
- 入札に参加する業者に助言することはあってはならない
というものでした。
弁護側は,
- 桑田の着任前,原口氏が担当であった時期から,国循は仮想化システムの調達を行っていたこと,それはNECにより導入が進められていたが,結局,完成に至らなかったこと
- 原口氏が関与して作成した入札2(H25年度システム運用・保守業務)の仕様書案においても,病院情報システムとの連携に関する項目が含まれていたこと
- システム保守業務であっても,当該システム導入を行った業者以外には保守が困難であること
- 原口氏が関与して作成した入札1(H24年度システム運用・保守業務)の仕様書案には,現行業者であるNECにしか分からない項目が含まれていたこと,それは,バイオバンク,映像コンテンツ編集・配信,TV会議システム,マイクロソフトライセンス,に関する多数の項目にわたっていたこと
- 原口氏が関与して作成した入札1(H24年度システム運用・保守業務)の仕様書案に含まれる保守対象機器のほぼすべてがNECから調達されたものであり,現行業者のNECにとって有利なものであったこと
- 原口氏が関与して作成した入札1(H24年度システム運用・保守業務)の仕様書案の作成過程で,原口氏はNEC以外から意見を聞いていないこと
- 原口氏が過去に関与した入札の仕様書案作成過程において,原口氏は頻繁にNECとやりとりを行い,NECの意見を取り入れていたこと
- 原口氏が過去に関与した調達の仕様書案作成過程において,原口氏はNECに対して,NECの機器を選定する「選定理由書」と「機能比較表」の作成を依頼し,受け取っていたこと
- 原口氏が過去に関与した「バイオプリズム運用支援業務」において,金額的に入札が想定されていたにもかかわらず,国循は発注を1ヶ月単位に分割し,毎月,件名を変えてNECと随意契約を行っていたこと
- 原口氏は,NECの職員から,他施設の入札の仕様書において「NECが有利となるような文言」を組み込むことができないか,との相談を受けていたこと
- 原口氏は,国循の今後の情報基盤整備に関わる運営会議資料(内部資料)を,NECに情報提供していたこと
- 原口氏が過去に関与した入札において,入札公告後に,入札参加予定業者から入札に関する質問をメールで受けた際,原口氏は「答えられない,理由はお会いしたときにでも」と返信し,その直後に当該業者と面談をしていたこと。
- 入札2(H25年度システム運用・保守業務)において,仕様書案は情報統括部のメンバーで協議して作成したこと,原口氏は,桑田からメールで仕様書案を受け取った際に,異論を唱えなかったこと,また,その直後の会議においても,原口氏は異論を唱えなかったこと。
- 入札3(H25年度システム運用・保守業務・公募型企画競争)において,仕様書案は情報統括部のメンバーで協議して作成したこと,原口氏は,桑田からメールで仕様書案を受け取った際に,その案に対する意見を返信したが,その案に含まれていた「病院情報システムにおける仮想化システムの構築経験」に関する要件には異論を唱えなかったこと。
ということを明らかにしました。
今回の証人尋問では,私自身も,直接,原口氏に対して反対尋問を行いました。おそらく20分程度の時間だったと思いますが,当事者同士の質疑応答であったので,原口氏も私の質問の意図がすぐに把握できたのでしょうか,私のパートはかなりスムーズな進行となったのではないかと思っています。(桑田)
前回の公判についてはこちら
“第7回公判を終えて(本人談)” に対して1件のコメントがあります。
この投稿はコメントできません。
小職の訴訟のお相手である、地方都市相模原市であっても、基幹システムを納入したNEC、またはNEC関連会社に支払われている保守、維持管理、運営の随意契約金額は、相模原市が公表している以下の長所のとおりである。http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/012/398/h280428_167-2-1-3_4.pd この随意契約に関する公開調書の内容を見るだけでも、いかにNECが巨大な利権を寡占しているかは、容易に判別できるものである。
小職の訴訟のお相手である、地方都市相模原市であっても、基幹システムを納入したNEC、またはNEC関連会社に支払われている保守、維持管理、運営の随意契約金額は、相模原市が公表している以下の調書のとおりである。この随意契約に関する公開調書の内容を見るだけでも、いかにNECが巨大な利権を寡占しているかは、容易に判別できるものである。
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/012/398/h280428_167-2-1-3_4.pdf