国循官製談合事件 第3回公判を振り返るその3
第4回公判を明日6月15日に控えておりますが、3回公判を振り返るその3を更新いたします。
この振り返りは、第2回公判後から始まりました。
桑田さんと支援する会メンバーが公判を振り返って対談し、その内容を皆さんに知っていただくために「公判を振り返る」として更新しています。
◎振り返りその1、その2はこちらから
国循官製談合事件 第3回公判を振り返るその1 – 国循サザン事件―0.1%の真実―
国循官製談合事件 第3回公判を振り返るその2 – 国循サザン事件―0.1%の真実―
今日は前回話題になった「調達責任者の責任とは?」についてです。
N)初公判から気になっていたのは、西田氏の証言にあった「より多くの業者が入札に参加できるように」「公平・公正なものを」という言葉です。今回、検察は、その「より多くの業者が参加できる」という点を強調して、
「難しすぎる(専門的な?)内容を仕様書に入れるのはよくない。そんなに難しく指定したら、誰でもできないじゃないか!それでは業者が特定されるじゃないか!」
と言いたいようでした。
でも、国を代表するような病院の情報システムですからね、難しくどこにでもできるものではないとしても、普通だと思います。
西田氏や検察が言っていることは矛盾していませんか?
桑田)まさにそこが,管理側(西田氏)と現場(私)の対立点なのです。管理側は,国の施策としての「入札の競争性の確保」が第一の達成目標になっています。一方,われわれ現場サイドは,「現場で必要なものを調達して欲しい」と思っています。もちろんわれわれも競争が大事であることは理解していて,決してそれを軽んじるわけではありませんが,業者間の競争が現場にとって一番大事なことではないのは明らかです。でも,管理側がそれほどまでに「競争性」を意識しているのなら,彼らは,先ほど*1言ったような「本来やるべき手続」をもっときちんとやるべきだったと思いますね。
N)西田氏への検察の質問は、
検察 「◎◎については確認していましたか?」
西田氏 「はい、確認しました」
検察 「内容について理解していましたか?」
西田氏 「わかりません、知りません」
この繰り返しでしたが、西田氏は調達企画室の責任者ではありませんでしたか?
だとしたら、自分で責任をとらないといけない内容について「知らなかった」というのは、「あり」なのでしょうか?それとも「知ってるけど知らんことにしとこ」ってやつですか?
桑田)西田さんは調達企画室の実質的な責任者です。今回の公判では彼の責任範囲が重要になりますね。その範囲にあるものであれば,当然,「知らなかった」では話が通りません。彼の言うように,専門的な内容の仕様書作成を他の部署に協力依頼していたとして,では,そのような彼の「協力依頼」行為が,彼自身の職責を免除することになるのかどうか。
N)逆に、協力を頼まれた立場からすると、協力して上げただけなのに、責任まで押しつけられてこわいですよね。
桑田)はい,そうですね。一般的な社会常識としては,そんなの「なし」に決まってますよね。
N)そりゃそうです。
桑田)先日の公判で,神渡検事が,だれでもそう答えるであろう,常識的な見解を求める質問を繰り返していました。だったら、逆に、こちらからは,
自分の責任において作成すべき書面を他人に協力を求めて完成させ,その内容を把握していないということは許されるのか
と常識的な質問をしてみたいですね。それこそ,「ダメでーす」の世界ではないでしょうか?
N)なんだかお話を伺っていると、国の機関の調達手続きってこんなにいいかげんでいいのか?と思ってしまいますが、そんなものなんでしょうか?
桑田)いえ,それは違います。むしろ,いろいろな制度化がされて、きちんとしているところの方が多いと思います。私がかつて所属していた大阪大学や鳥取大学の調達のやり方をみていても、かなりきちんとしたもののように思いました。どうして今回の事件では,これほどまでに杜撰なやり方がまかり通ったのか。私は当事者として,また冤罪に巻き込まれた者として,非常に憤りを感じる部分です。
N)そうですよね、多額の税金がそこに投入されているわけですし、そうあってほしいし、そうでなければならないですよね。
桑田)まあ以上のお話はの一般論としてお聞き下さい。公判では個別の事情を勘案していく必要がありますので,いったい西田さんがどういう認識でいたのか,なにか特別な事情があるのか,などを詳しく見ていく必要があると思います。
「調達室の責任者って何?責任者って無責任で良いの?」という部分は、対談を進めれば進める程大きくなっていきます。
この人は責任を取る気があるのか?
いや、ものすごく懐の深い人で「部下の失敗は僕が全部責任を取るから、思うようにやっていいなんだよ」と、あまり細かいことを言わずにも守るタイプなのか?
いえ、これまで2回の検察側証人尋問を聞く限り、後者はなさそうなので、責任者に向いているかどうかまで考えてしまいます。
これまで「知らない」「記憶にない」などを連発していた証人ですが、明日の公判からは弁護側の反対尋問が始まります。
弁護団が総力を結集して集めた資料を元に、厳しい質問が西田氏に向けられると思われますが、西田氏は「本当に知らない」のか?
明日の第4回かい公判は6月15日(水)13時10分〜大阪地裁です。
ぜひあなたの目と耳で、真実を確かめてください。
◎第3回公判を振り返る その1とその2のリンクです。