国循官製談合事件 第4回公判速報その1

国循サザン事件-0.1%の真実-無罪を訴える桑田成規さんを支援する会Nです。

昨日2016年6月15日13時10分〜17時00分、大阪地方裁判所第603号法廷にて、国循官製談合事件(「国循サザン事件」)の第4回公判が行われました。

これまで2回に渡り、検察側の証人として、当時の調達室専門職の西田氏に対して検察側から尋問が行われてきました。

そして第4回となった昨日は、検察側の証人西田氏に対して、弁護側からの反対尋問第1回目が行われました。

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この速報は、逮捕起訴された桑田さんを支援する会として動いているNが、第4回公判の様子や感想を傍聴した本人としてアップいたします。

※Twitterではなるべくリアルタイムに投稿しております

ドラマ99.9の当事者を支援する会 (@southerncase) | Twitter

第4回公判の様子

  • 裁判官 西野吾一裁判長他2人
  • 桑田さんの弁護士 2人
  • 高橋さんの弁護士 3人
  • 検察官 3人
  • 報道関係 7人くらい(前回2回より多め)
  • 傍聴者 約12人

今回の反対尋問は、桑田さんと高見弁護士、我妻弁護士が総力を結集して集めた証拠資料をもとに、長時間に渡って行われました。

両手に重そうな資料入のキャリーバッグを引きずりながら、高揚した様子で入廷された桑田さんの主任弁護人の高見弁護士の姿を見て、今回の公判への意気込みを改めて感じたほどでした。

今回は本当に資料の提示や、確認する事柄が多かったため、傍聴していた私のメモだけでは正確にお伝えできませんので、内容に関しては桑田さんご自身でまとめてくださったこちらをご覧ください。

『国循サザン事件』第4回公判を終えて – 国循サザン事件―0.1%の真実―

今回は検察側、弁護側双方とも開廷までピリピリした雰囲気でしたが、中でも弁護側が検察官に証拠資料を渡す場面*1では、高見弁護士が

検察から開示されたハードディスクデータから出しているものです

と資料を手渡しました。すぐさま検察官が

今これを渡されても、この書類の元がこちらの資料かどうかの検証もできない

と言いかけるやいなや、高見弁護士は、

自分たちの出した資料なんだから見りゃわかるでしょ

と言い切る場面も。

続いて我妻弁護士からも証拠資料を手渡されると、検察官3人が慌ててその資料をめくっていました。

これまで2回の証人尋問でも、検察は西田氏に対して執拗に「仕様書の作成方法」について尋ねてきました。

  • 仕様書はどこ(どの部署)が作成するのか?
  • 仕様書を作る際に、入札に参加する業者から情報提供を受けても良いのか

この2点については、証人の西田氏は、これまで

  • 仕様書は基本的には契約係*2が作成するが、専門的なことや技術的なことは、現場(発注部署)に協力を依頼する
  • 仕様書を作る際に、入札に参加する業者や特定の業者から情報提供を受けることは、入札の公平性を害するためにしてはならない。もしも情報提供を受けたことがわかった場合には、契約審査委員会に諮り、当核入札をやり直す手続きなどを行う。

このように証言していました。

それらをふまえ、これまで問題とされている入札1*3と入札2*4に関しては高見弁護士から、それ以外の過去の入札で西田氏が関わっている国循の入札に関しては我妻弁護士から、それぞれ質問が行われました。

過去の西田氏が関与した入札

我妻弁護士は、西田氏に対して過去の複数の入札に関して確認を行いました。

我妻弁護士はとても静かに、しかし反論する隙を与えない話し方が印象的ですが、今回は次々と資料を提示しながら、西田氏の記憶を呼び起こさせました。

我妻弁護士 ◎◎についての入札を覚えていますか?

西田氏 あったことは覚えていますが詳細までは覚えていません

我妻弁護士 では、証人の記憶喚起のために資料を提示します

これらの繰り返しの中には、

我妻弁護士 仕様書案の作成を入札に参加する業者にさせたのではありませんか?

西田氏 仕様書を作成する際の技術的支援を求めたことはありますが、業者が仕様書を作成することはありません

と、かなり具体的な内容についても質問を繰り返しました。

※詳しい内容はこちらをご覧下さい。

『国循サザン事件』第4回公判を終えて – 国循サザン事件―0.1%の真実―

西田氏はあくまでも「仕様書案を作らせたことはない。仕様書案に必要な情報提供を求めたに過ぎない」と主張しています。

しかし今回提示された過去の複数の入札において、いずれも西田氏が情報提供を求めた業者が落札しており、その落札率*5はほとんどが100%(1つは99%)であったことも、我妻弁護士から指摘がありました。

提示した資料の中には、仕様書案と書きながらも、表紙の末尾には「国立循環器病研究センター」の文字が記載されているものもありました。

要するに、そのまま提出できる状態の書面がメールに添付されていたのです。

これに関しての西田氏の答えは

行政機関などの入札に慣れている業者は、よくこのようなことをします。少しでも手を煩わせないための配慮もあると思います。

と。

一般的な解釈では、西田氏の答えから連想できるのは「仕様書案に必要な情報提供」といいつつ「その内容でよければそのまま使うんですよね?」ということ。

そうでなければ、わざわざすぐにでも提出できるような仕様の書面で、しかも表紙までつけてその末尾に「国立循環器病研究センター」などと入れる必要はありませんよね。

ただの情報提供なのですから、そこから国循の方で他の業者の情報もあわせて精査し、国循の担当者が仕様書を作るのが筋なのですから。

メールのやりとりと添付資料

また、仕様書案の他にも機能比較表なども一緒に特定業者から添付されているものもあります。

その機能比較表の内容も提示され、明らかに資料を送ってきた業者又はその業者と取引のある業者の数値が有利であり、その資料を参考にするのであれば、その業者の製品を選ぶことになる、という状態です。

そして、そのメールの宛先は西田氏個人です。CCにもなっていない。

特定業者と個人間でこのようなやり取りが繰り返され、このような資料を調達企画室の責任者である西田氏に直接送ってくる。

しかも1社ではなく、我妻弁護士が質問しただけでも6社ありました。

メールの文面には「よろしくお取り計らいください」との一文があったものもあり、それも読み上げられました。

ここまで読んで下さった方、一般的な解釈としてどのように思われるでしょうか?

前半最後に高見弁護士からも仕様書についての質問が行われましたが、あまりの猛攻に検察官から「異議有り」の声。

異議は認められませんでしたが、高見弁護士が「終ります」と納め、休憩に入りました。

今回はとても内容が濃く、時間も予定時間いっぱいに行われましたので、1回で傍聴録をまとめるのは難しいようです。

次回は第4回公判速報その2として、公判の高見弁護士の質問の様子と傍聴して感じたことなどを更新したいと思います。

それにしても・・・

巷で話題の舛添氏顔負けの西田氏の言い訳に、またしても「おいおい子どものお使いじゃあるまいし(子どものお使いの方がけなげでがんばっていますけど)、覚えてないとか記憶にないとかミスでしたことか、そんなことで許されるような現場なのか?それが国の最高水準の病院内の様子なのか??」と、呆れてしまうシーンも多々ありました。

国会でも税金の無駄遣いだ!と揉めにもめましたが、落札率100%がもしも一定の流れで出来上がっていたとしたら・・・

桑田さんの冤罪をはらすべく、支援者もしっかりと情報発信をしてまいります。

これまでの経緯や国循官製談合事件についての詳細はこちらから

 

 

*1:弁護側が証人に提示する資料については、あらかじめ検察側に提示しておかなけれならないという決まりがあります

*2:契約係は、調達企画室の配下の係で、当時の責任者は調達企画専門職であった西田氏

*3:平成24年度入札

*4:平成25年度入札

*5:落札率 予定価格に対する落札額の割合。 100%に近いほど落札業者の利益が大きく、談合によって落札率が上がれば、それだけ税金が無駄遣いされることになる。 全国市民オンブズマン連絡会議などは「90%以上は談合の疑いがあり、95%はその疑いが極めて強い」と指摘している。出典 コトバンク  落札率とは – コトバンク